マロニエ通りは海に静む

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「今晩、空いてる? 牡蠣食べに行かない?」

新宿のH&Mのショウウィンドウで、梱包されたコントラバスを激写していると、カエさんからラインが届いた。ちょうど年末年始の怒濤の刊行スケジュール、通称「年末進行」に向けて英気を養わねばと思っていたところだ。

西銀座で待ち合わせていると、チャンスセンターに年末ジャンボ宝くじを買い求める大行列ができていた。東京の冬の風物詩である。とある年末、有楽町のスタバの2階で恋人に振られ、泣く子も黙る能面で宝くじを買った日が懐かしい。もちろん一枚も当たらなかった。

今年はあえて出張先の福岡県で購入した。「福」が付いたほうがいいのでは? と、啓示を受けたので、当たるんじゃないかと思っている。琵琶湖沿いに一軒家を建てて、『どうぶつの森』を極めて暮らすつもりだ。

先月末に焼き牡蠣をしこたま食べたばかりだが、牡蠣は別腹である。目当ての店は洒落たオイスターバーだった。生牡蠣を3種頼み、カヴァで乾杯する。

「最近、びっくりしたことがあって」

牡蠣フライにタルタルソースを山ほど付けながら、カエさんが言う。

「某アーティストのライブに行ったら、ある曲が始まった瞬間、両隣の女の子が気を失って倒れちゃったんだよね」

そんなマイケル・ジャクソンのライブみたいなことがあるのか。

「私もまだまだにわかファンだと思ったよ・・・・・・」とカエさん。

「愛が行き過ぎたのかな」

なるほどね。もしくは、これが愛かもしれないと、ふと気付いたのだろう。

「レッコーアンカー」裸足の少女に海は冷たし

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