交差点でドクターマーチンの女の子を見つめる

f:id:udon402:20181129113751j:image

 

晩秋の21時過ぎ、神田神保町を歩く。

打ち合わせの後、軽い飲みの誘いがあったが、0時コースからのカラオケスナックな予感を得たので前向きにお断りさせてもらった。気兼ねなく飲む、なんて機会は今はもう月に一度あるかどうかだ。

道の前方では、24時間経営の居酒屋出口で学生たちがたむろしていた。名残惜しそうな彼らは、誰かが2次会の算段を立てるのを待っているのだろう。

 

「いえーい!」とハイタッチして回りたい絶望的衝動に駆られるが、ぐっとこらえる。
生まれついてのコミュ弱ネガ人間なのに、社会人になってから無理やりコミュ力を装備したために、時折こうして暴走しそうになる。電車とかで赤ちゃんに「ばあ~」とかやり始めたらどうしたらいいのか。

 

水道橋交差点の赤信号で立ち止まる。遠目に東京ドームシティのイルミネーションが瞬くのが見えた。

ふと、5歩ほど離れた隣に女の子が立っていることに気が付く。中途半端な暗闇のなかで何色なのかもわからないドクターマーチンのブーツが似合っていた。

 

ぼけーと見ていると、女の子がちらりとこちらを見た。

 

普段は人と目を合わすのが苦手なのに、夜だと不思議に平気なのはなぜだろう。ただ、暗闇が夜と女の子を照らしている。しかしまぁ、向こうからすれば怪しい奴に間違いない。信号が青に変わると、すぐにさくさくと歩き出す。

グリーンラベルでも買って緑一色でも作ろう。ハイネケンもほしいが、あれは1ソーだからな……。

 

 

 

選ばれる人と僕らが街にいて同じ歩幅で改札をゆく

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。