√とシュウマイは猫かぶる

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馴染みのビアバーに顔を出すと、キッチンの三住さんと常連の紺野教授が熱心に話し込んでいた。

「なんだか盛り上がってますね」

「忘年会シーズンにちなんで、忘れられない味というフェアをやろうと思いまして」

「面白そう。紺野さんは何かあるんですか?」

相変わらず呑んでばかりいる紺野教授に声をかける。

 

「十年以上前のことなんだけど」と紺野教授が切り出した。

「ロンドンの学会に出た際、現地の教授にホームパーティに招待してもらったんだ。そのときに食べた一口サイズのミートパイが美味しかったな」

「ミートパイかぁ、イギリスの伝統料理ですね」と三住さん。

「それが、中身はどう考えてもシュウマイだったと思うんだよ。シュウマイの皮がパイ生地、みたいな」

何それ美味しそう。

 

「シュウマイと餃子の中身ってどう違うんですかね」

ふと、三住さんがとんでもないことに気が付く。

「えっ」

「なんだろう、ニンニクかなぁ」

紺野教授が考え込む。

 

 

「まあ、√1も1も1ですからね」

数学者の紺野教授の前で、あえてドヤってみた。

 

「2乗して自分自身になる数は、無限桁を含めると1と0以外にもあるんだよ」

「えっ」

 

 

 

 

桃咲けばまた新しくなるわたし

 

 

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