家に帰ってもパンがない

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「おつかれさま。このままお昼に行きませんか」

他社での打ち合わせを終えると、広報担当の松原さんが声を掛けてくれた。コンビニで済ませようかと思っていたので、ありがたい。

「人気の串カツ屋がランチもやっているんです。箱が大きいので、そう並ばなくても入れますよ」

 

社屋を出て、5分と歩かないうちに件の店に着いた。彼女の言うように、店の前には2組待っているだけで、ほどなくして席に案内される。日替わりの串カツ5本にご飯と味噌汁が付いたランチを注文した。豚ヒレに小玉ねぎ、アスパラは丸々1本なのが嬉しい。

 

「串カツといえばソース二度付け禁止だけど、アスパラなんて細長くて後半まで浸かりませんよね」

「ああ、それなら」

松原さんが軽く手を上げて店のおねえさんを呼ぶ。おねえさんから小さじを受け取ると――

「浸けるんじゃなくて、かければいいんですよ」

そう言って、小さじでソースをすくってみせた。

 

なんと、発想の転換。頑固親父の店主とかに見つかったらはっ倒されそうだが。

 

「そういえば」と私。

「うちの高校には校歌の2番がないんですよ」

「はぁ」

「1番と3番だけ。式典とかで2番って飛ばして歌うことがあるじゃないですか。それならばと、最初から2番は作らなかったみたいです」

 

「架空の2番とかが学校の怪談になりそうですね」

ううむ、先駆者ほど、未来に過度の期待をしてしまうものなのだろう。

 

 

 

横書きの拙句を笑う水中花

 

 

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